ポケモンについて

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イシズマイ戦記①~砂利石に潜む爪~

 

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 イシズマイを使いたい。その思いに駆られ、いやその呪いに駆られてしまった男の悲しき考察とその変遷が以下である。忙しい人が読むような記事では、まずない。


~誕生と歴史~
イシズマイイワパレス
 

 BWの時に追加されたヤドカリがモチーフのポケモン。岩虫タイプという珍しいタイプ構成を持っている。しんかのきせきが追加されたソフトでもあるため、種族値次第では大暴れもあり得たが、ヤドカリらしい慎ましさを前面に押し出した種族値編成をしている。

H50 A65 B85 C35 D35 S55
 
 ちなみに調べたところシーズン12での使用率ランキングではなんと467位という大記録を達成している。すごいぞ!イシズマイ! 

 

 進化先には同じく岩虫タイプのイワパレスがいる。こちらは高い防御種族値と攻撃種族値を活かした典型的な耐えて殴るタイプのポケモンである。そしてこのポケモンはなんと超強力な積み技として名を馳せる“からをやぶる“を習得する。ASを二段階上昇させられるうえ、特性がんじょうにより確実に一回は積めるため強い…はずだった。


 問題点はパルシェンが殻を破るの使い手として既に有名になってしまっていたこと、ASともに二段階上げてもリアクションのしづらい数値であったことだろう。確かにタイプが珍しいためパルシェンとの差別化の点では困らないかもしれないが、だからといって虫技に高火力なものもなく差別化の先が見えないポケモンであると言わざるを得なかった、第6世代までは。
 

 第7世代に突入し、いくつかの変化がイワパレス君に訪れた。A種族値の上昇と、特性くだけるよろいの仕様変更である。もともとそこそこ高い耐久を持っていたイワパレスでは頑丈を持て余すこともあった。そこでこの砕ける鎧の仕様変更である。物理技をもらうと、Sが1段階ではなく2段階上昇する。S種族値が45しかない彼にとってこの調整は大変愉快なものだったろうと思う。
 

 岩タイプ最強技であるがんせきほうと超強力な積み技のからをやぶるを所持し、Z技との相性のいいポケモン。字面で紹介するとこんなにも頼りがいがありそうなものなのに、シーズン12使用率ランキング驚異の194位。悲しい哉悲しい哉。

イシズマイイワパレスの違い
 

 今回は上記で散々強みを記したイワパレス、ではなくその進化前のイシズマイがシングルレーティングバトルで勝つための考察を行う。そこでまずイシズマイというポケモンの強みがどこにあるかを整理していきたい。種族値の確認から入る。

 

イシズマイ H50 A65  B85  C35 D35 S55
イワパレス H70 A105 B125 C65 D75 S45
 

 基本的にはイワパレスへの劣化種族値である(進化前ゆえ当たり前ではあるけども)。この種族値比較から見取れるイシズマイの特色はおおよそ2点挙げられる。

 

 一つは、耐久がイワパレスに比べて完全に低いこと。HBDいずれの種族値イワパレスに劣っているため、イワパレスが耐える攻撃でもイシズマイは大方耐えられない。
 

 もう一つは、Sの種族値イワパレスに比べて10も高いことである。これを最速をもとにして実数値で出すと、イシズマイS117イワパレスS106となる。高々11の差に見えるが殊素早さに関しては、細かな差が大きな違いにつながってくるケースは多くある。この11を大切にしたい。

 

・実際に運用する型~殻を切らせて岩を断て~


 上記のイワパレスとの差別化を意識したうえで今回運用していく型はこちらにしようと考えた。

 からやぶじたばた型
特性:がんじょう
性格:むじゃきorせっかち
努力値:AS252C4(ASのみVを想定)
持ち物:チイラのみ
技構成:からをやぶる/じたばた/ロックブラスト/じしん
 
 イシズマイイワパレスの大きな差別化点である「耐久が低い点」と「Sが11速い点」を活かし、今回はからやぶじたばたからの3タテを狙う技構成とした。可能な限り耐久を下げることで、どんな貧弱な相手の攻撃でも頑丈を発動することができる。頑丈が発動する体力であれば、持ち物のチイラのみ(ピンチでA↑する木の実)も共に発動する。そのターンにこちらは殻を破れば、A3↑S2↑の最強のヤドカリが誕生する。あとは威力200となったじたばた、タスキ頑丈ばけのかわ潰しのロクブラ、鋼への痛烈な打点である地震で暴れまわるのだ。しんぷる、いず、べすとっ!!!!
 

性格は陽気ではなく、無邪気ないしはせっかちを選ぶことを推奨する。努力値は火力と素早さをなるべく担保したいため貫禄のAS全振り、Cに4振っているのはほかの余計なところに努力値が入らないようにするためである。努力値振りの項目にもあるように、基本的にAS以外の個体値を必要としない。むしろ、この際耐久の努力値は低いほうがより勝ちに貪欲な姿勢ととらえられる。妥協個体こそが正義。


 素早さに関しての知識が本当に大切で、S117であるイシズマイは殻を破るとS234になることを押さえておきたい。90族未満の最速スカーフ(最速スカーフ90族とは同速)や、104族未満の準速スカーフ(準速スカーフ104族とは同速)よりはやいと考えておこう。数値だけだとわかりづらいが、準速スカーフのテテフ・ボルト・ランドや竜舞一積みのリザXに死に出しして殻を破るを選択出来ると考えると強さが分かってもらえるだろうか。
※ちなみに、イワパレスだった場合、最速でも破ってS212のため上記のポケモンと対峙したときに積めない。

・次回予告
 ついに己の殻を破り、殺戮の天使と化したイシズマイ。PGL使用率トップ30入りの日もそう遠くないと思われた。しかし、そんな彼に更なる試練が襲い掛かる。HP1で耐える健気なザリガニを襲う数々の先制技。彼の心の芯を無残に砕くステルスロック。現実はあまりにも厳しかった。そんな傷ついたザリガニにしかし、手を差し伸べた仲間がいた。次回、超イシズマイ戦記②~初めての実践~、お楽しみに。